エドワード・エルガーの作品

行進曲「威風堂々」作品39より第1番ニ長調

エドワード・エルガー

「威風堂々(Pomp and Circumstance)」は、1901年から1907年及び1931年にエルガーにより作曲された行進曲5曲の連作の総称であり、本日演奏する第1番は5曲の中でも特に有名である。「Pomp and Circumstance」はシェイクスピアの戯曲「オセロ」の第3幕第3場にあるオセロの台詞「Pomp and circumstance of glorious war (栄光ある戦いの荘厳さと威厳)」から取ったものである。エルガーがこれらの行進曲を書くに至った経緯は明らかではないが、たまたま軍楽隊のためにこの第1番を作曲し初演したところ、あまりに好評だったため、続けて数作書いたものといわれている。

曲は3部形式をとり、Allegro, con molto fuoco (速く、非常に情熱をこめて)の指定とともに、主調のニ長調に対して半音上の変ホ長調で始まる。その後主調になり主部のテーマが弦楽器で演奏され、躍動的な第1主題、第2主題が続く。やがて、テンポがPoco allargando(だんだん遅くしながらだんだん強く)で次第に弛められた後、有名なトリオの旋律がト長調で登場する。この旋律は、エルガーが直後に作曲した合唱曲「戴冠式頌歌」に転用されており、「Land of hope and glory…」で始まるこの歌は「第二のイギリス国歌」と呼ばれるほど有名なものとなった。初めは中音域で歌われたこの旋律が続いて高音域に移り、高らかに「威風堂々」を謳歌する。その後主題が回帰し第1主題、第2主題が再現された後、トリオの旋律がニ長調の高音域で奏でられ、曲の最後に主部の第1主題が登場して幕を閉じる。